プロポリスは「天然の抗生物質」とも呼ばれます。
プロポリスの抗菌作用は、はるか昔の古代エジプトやインカ帝国の頃から知られていました。古代エジプトでは、あの有名なミイラを製造する時の防腐剤として、また、インカ帝国では感染症の治療に利用していたようです。12世紀になってプロポリスが注目されたのも、その抗菌作用によるところが大きいのです。
化学合成によって作り出された抗生物質は、ある特定の菌には強い抗菌力を示しますが、耐症の菌以外ではその抗菌力が弱まるか全く効力のない場合もあります。翻って、プロポリスはどうかというと、抗生物質ほど強力な抗菌力こそありませんが、特定の菌にだけでなく広範囲にその抗菌力を及ぼしてています。ここがプロポリスと抗生物質との大きな違いであり、素晴らしいところなのです。
合成された抗生物質は、その強い抗菌力によって、病原菌だけでなく腸内に住み着いているビフィズス菌や乳酸菌などの有用な菌まで死滅させてしまいます。プロポリスは、こうした菌には害を与えません。さらに、特定の菌にしか効力を及ぼさない抗生物質は、病原菌の種類が確定しないと使用できません。敵がわからないのに数ある抗生物質を適当に処方する訳にはいかないからです。
それではプロポリスはどうかというと、特定の菌にだけでなく、様々な菌に広範囲に効力を及ぼし、有用な腸内細菌には害を与えないという特徴から、何が病原菌なのかわからない段階でも安心して使えるという事になります。
| 最小増殖阻止濃度(μs/mg) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 病原菌 | 枯草菌 | 黄色ブドウ球菌 | 鵞口瘡カンジタ | 毛瘡白癬菌 |
| プロポリス (エタノール抽出成分・単離成分) |
375 | 1500 | 3000 | 188 |
| ガランキン | 150 | 300 | 300 | 75 |
| ピノセンブリン | 75 | 300 | 150 | 38 |
| ピノバンクシン | 300 | 300 | 300 | 75 |
| 3-アセチル-ピノバンクシン | 300 | 300 | 300 | 75 |
| 桂皮酸 | 400 | 800 | 300 | |
| p-クマル酸ベンジルエステル | 150 | 300 | 300 | 38 |
| カフェ酸 | 150 | 600 | 1200 | |
| カフェ酸エステル混合物 | 150 | 300 | 300 | 19 |
| 抗生物質 | ||||
| ストレプトマイシン | 10 | 30 | ||
| オキシテトラサイクリン | 1 | 30 | ||
| クロラムフェニコール | 1 | 100 | ||
| スルファメラジン | 300 | 1000 | ||
| ニスタチン | 10 | |||
| グリセオフルビン | 1000 | |||
抗生物質を多用すると、その抗生物質に抵抗力を持った耐性菌が生まれてきます。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌や院内感染などと言うニュースが良く見受けられるようになりましたが、健康な人なら感染しても問題にならないような菌でも、病気になったり、外科的な手術を受けたりすることで免疫力が低下したりすると、非常に危険な症状を引き起こします。それが運悪く耐性菌であった場合、抗生物質が効かないために有効な治療方法がないということいなります。
ところが、プロポリスは抗生物質が効かない耐性菌にも効果があるのです。1995年に、林原生物化学研究所はプロポリスがMRSAにも有効であることを明らかにしています。しかも、プロポリスの場合、長期間にわたって常用しても耐性菌が生まれる心配がありません。プロポリスの抗菌作用は、ガランギンなどのフラボノイドやカフェ酸など抗菌力をもつ多様な成分の相乗的な効果によって穏やかに効きますので、菌の方も対処のしようがないのでしょう。気付かぬうちにやられてしまったというのが、菌の気持ちだと言えそうですね。
ミツバチが何千万年もプロポリスによって守られてきたのも、プロポリスに耐性菌が出現しなかったからこそであるといえそうです。まさに「天然の抗生物質」の本領発揮です。
プロポリスの幅広い抗菌作用は虫歯の原因菌とされるミユータンス連鎖球菌にも効果を発揮することが明らかにされています。ミユータンス連鎖球菌はショ糖(砂糖)から不溶性グルカンをつくり、菌垢を形成します。この菌垢を拠点にしてミユータンス連鎖球菌はショ糖やブドウ糖から酸を生成し、歯の表面が溶かされ虫歯になるのです。プロポリスはミユータンス連鎖球菌に対して抗菌作用を示すだけでなく、不溶性グルカンや酸の生成を抑制する働きもあるのです。こうした虫歯予防の効果からプロポリス入りの菌磨剤が多数商品化されています。